蜜果【単行本版】
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蜜果【単行本版】

akabeko

蜜よりも甘く濃い愛

ネタバレ
2021年8月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ うわぁ、『落果』のスピンオフからこんなに深い物語になるなんて、目の付け所がすごい担当さん。そしてどんなきっかけでも料理してしまうakabeko先生の手腕がすごいとしか言えないです。読後の高揚が治まらず、何から書いていいのやら…
冒頭で前作のりんごと大倉くんの幸せな姿を描いて下さって、ホントに嬉しい~。ホッと安堵です。
今作は風俗店店長・貴宏とホスト・レオの蜜月愛になるまでの不安や、葛藤が繊細に描かれています。
セ*レの延長上の不安定な関係に見えて、心は既にどっぷりとハマっている二人。互いの仕事がどういう事がわかっていても、やっぱり引っ掛かるし嫉妬もしちゃう。それは自分も相手も『特別』な存在だからこそ。そうであったとしても、ノンケであるレオにはノンケであるが故の不安もあるし、自分の気持ちにすら自信がなくなるのも、凄く伝わって来ます。そんなレオが堪らなく可愛いんです。レオの感情がストレートでわかりやすいのに比べ、つかみ所がない店長。作者様曰くめんどくさい男です。本気だからこそ上手く立ち回れない不器用さも、なかなかいいものです。
レオに誠実であるために、水商売人としての夢を売らなかった店長。店長に誠実であるために、本店に行かなかったレオ。二人の想いはちゃんと重なり合って、確かな愛がそこにある。ノンケのレオをいつか手離す覚悟をしていても、そんなの無理って一番わかっているはずなのに、レオを手離せないと思い知らされた時の「ごめん」が胸に響きます。くぅ~、店長ぉーーーっ。
時々、「たかひろ」「希雄」って呼ぶのがキュンてします。時々の不意にがいいんです。
ホントに甘く濃い蜜月愛でした。akabeko先生のエチエチもたっぷり堪能出来ます。とろけてるレオくんがこれまた可愛い。フォロー様の仰る武骨な手と浮き上がる血管。すんごいわかります。男の人の手見ちゃいますもん。手だけでなく、akabeko先生の描く肢体が素晴らしく『男』なんですよね。首の太さと肩の筋肉のつき方だとか、腹筋はもちろん、背中の肩甲骨の影だとか太もも、ふくらはぎまでちゃんと筋肉質なんです。ドキドキです。
とってもテンション上がった蜜果です。
購入者特典ムードたっぷり動画つきボイスドラマ(episode.5)2022年7月6日までです。耳が恥ずかし、くすぐったいそんなボイスも合わせていかがですか?なんか照れますぅ。
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