毒を喰らわば皿まで
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毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

悪役令嬢の父宰相のリベンジ

ネタバレ
2021年8月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昨今流行りの乙女ゲーの悪役令嬢の転生ものだが、この作品、転生したのは令嬢のパパの方で。記憶を取り戻した途端、反撃のために策略を練っていく。一国の宰相だけあって、正義感だけで主人公と娘を追い落とした若者たちの底の浅さがどんどん露呈し、策にはまり、追い詰められていく。いっそ清々しいほどの追い詰め方に、はまってしまったら、夢中になり、あっという間に読み終えてしまいました。その過程で、宰相と敵対していた騎士団長と番となるが、清廉潔白な騎士団長が、宰相の闇を見せつけられても、彼を選んでしまうとこがぞくぞくするほど良かった。最後、転生した宰相が、転生した騎士団長と、物語の鍵となる古竜とともに国を旅だち、それが故に一国が滅びてしまったところが、遠大な復讐となっていたのかと思うと、ため息しか出ないほど素晴らしかったです。
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