記憶の技法
」のレビュー

記憶の技法

吉野朔実

淡々と描く真実

ネタバレ
2021年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 懐かしい少女マンガの作者さん。昔よくこの作者の漫画を読んでいました。どこか突き放したような、孤独で、悲しくて、どこかいとおしくなる、そんな作風でした。今度の話は、修学旅行で韓国にいくことになり、パスポートのために取り寄せた戸籍から、実子ではないことがわかり、真実を知るために修学旅行をやめて、一人福岡に向かおうとする華蓮。実子でないとわかっても、父母のことは好きで、悲しませたくないという思いもあり。そんな所に着いてきてくれる同級生レイ。淡々と話が進む中で、わかっていく真実。だからといって拗ねるわけでもなく、受け入れていく華蓮。描きかたによっては、とても暗くなってしまうところを、上手く描いているところに、作者の力を感じます。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!