このレビューはネタバレを含みます▼
19世紀、ヨーロッパにある王国の王子ユリエルは、従者のエルヴェと共に北アフリカの砂漠にお忍びで来ていました。伝説の都市〜ロアディスの調査隊に同行する為です。ところが約定に違反したということで砂漠の民セルディラ族に拿捕されてしまいます。一度は殺されかけたものの、セルディラの首長•アルドに助けられ、ユリエルを気に入ったアルドは、そのままユリエルを連れ帰ることにします。アルドを野蛮人と決めつけていたユリエルですが、帰る途上、命懸けでユリエルを救ってくれたアルドに対して恋心が芽生えます。そしてアルドは、月に照らされた夜の海のような美しい砂漠で、ユリエルに国を捨てて共に暮らすように告げるのでした。
どこまでもカッコ良く男らしいアルドと、純情可憐で行動力もあるユリエルとの恋、砂漠の民のロマン溢れるアラブものです。キャラの立った美形•ユリエルの従者エルヴェは本編では脇に控えていますが、巻末の『月夜の散歩』、また『プライベートストリッパー』所収のスピンオフ『エル』で、その女王様キャラとアルドの寡黙な従者バディスについて、そして二人の恋が描かれます。