このレビューはネタバレを含みます▼
重箱の隅をつつくような事を言えば、親(しかも次に生まれた子供だけ愛する)の食い扶持を確保するためにいっそせいせいしたと言わんばかりに簡単に我が子を生贄にするような人間社会に、なぜウルは太郎を戻そうとするのか、あんな切ない別れをしてまで人間社会に行った太郎がどうして人間の生活を捨ててウルの元に戻ったのか、、、そこら辺が曖昧かなと。
それを言ったら野暮なのかな。
でもしかし!
その曖昧さが消えていくほど、とてもとても純粋な2人。美しい大人のお伽話でした。
ウルの過保護と溺愛が本当に可愛い。一途にウルを慕う太郎もこれまた可愛い。
大事に思うあまり手放そう、離れようと思う2人に思わずホロっときました。沁みました。
そして絵がとにかく素敵。美しい。上手いなー、、、。
アール・ヌーヴォー風の扉絵であったり、本編の絵もところどころ古い時代のイギリス児童書の挿絵っぽかったり。
モフモフ狸達も良い味出してます。
2人の住む家や暮らしぶり、食事風景・服装がガチ洋風なのに、森から離れた人間社会だと着物で茅葺き家に住んでいたり…あれは2人が別世界にいるという象徴なんでしょうね。
何度も読み返すと思います。
あ、エチエチは本編にはありません。
おまけページで結ばれますがサラリとしています。
このストーリーにはこのくらいでちょうどだと思いました。