このレビューはネタバレを含みます▼
科学者の父が自分が娘の理子に遺した男性型アンドロイドの暁斗。彼は性行為可だという…。分かり合えず亡くなった父のことも、そして勿論突然現れた暁斗の存在も受け入れられない理子。しかし理子の幸せの為に造られた暁斗の健気な姿に気持ちも変化していきます。そしてアンドロイドである暁斗にも起こる変化。次第に惹かれ合う2人ですが、惹かれ合う程ありのままを受け容れるという難しさ、自分の欲と相手の幸せの在り方に悩み、そして人間とアンドロイドであるという揺るぎない大きな壁が目の前に立ちはだかります。それでも互いの気持ちを信じる2人。自分の些細な言葉や小さな行動にも、それが相手の幸せに繋がっているか思いを馳せる姿に心打たれました。2人の想いや世界を壊さないように、丁寧に積み木を積み上げるように少しずつ深くなっていく絆。TLなので、もちろん十分にエッチです。しかしお話として面白くそして切なく、2人の気持ちがとても丁寧に描かれていてTLというジャンルであることを忘れてしまいます。こういうTLを求めていたので、読めて幸せです。…でも気持ちを込めて読んでいるので、どんな結末がまっているんだろうと案じてしまう。どうかどうか2人が笑顔になれる未来が待っていますように…と願いながら次巻を待っています！
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