涙雨とセレナーデ
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涙雨とセレナーデ

河内遙

関根くんを越えた!

2021年8月24日
河内作品において恋する男子といえば「関根くん」の右にでる者は
いないと思っていましたが、ここに孝章様がいましたね。
優しくて紳士的で腕っぷしも強い、容姿も心も申し分のない
ヒーローでありながら、幼い頃に一度会ったきりの陽菜を
一途に思い続ける姿は健気なヒロインのようでもあります。
一方、主人公の陽菜はいつでも前向きで真っすぐ、
そしていざという時には人一倍の度胸をみせる(無鉄砲ともいう)
ヒーロー的な面を持つヒロイン。
そんな二人が時を越えて出会った運命的な恋物語です。
3~4巻はとくに秀逸、片思い特有の息も出来ない切なさと緊張感、
そして淡い期待が散りばめられています。
もちろん思いが通じ合ってからの二人も素敵なのですが
両想いの片想い、これ以上のものがあるでしょうか。
8巻終盤ではかなりの衝撃を受けましたが、久々の再会による喜びと、
いつ別れる事になるかも分からない不安定な状況を考えると、
二人にとっては自然な流れと言えるのかも知れません。
ただ、馬車での「強炭酸の指先」の方がときめき度が高かった身としては、
もう少し婉曲的にこの場面を描いて欲しかったと言うのが正直な気持ちです。
果たして今回の展開が今後のストーリーにどのような影響を与える事になるのか。。。
今から次巻が待ち遠しいのは、言うまでもありません。
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