このレビューはネタバレを含みます▼
兄に執着する大学生・テオ×7年付き合った恋人にフラれた准教授・ルイ。そして二人の心を掻き乱すテオの兄でルイの恋人だったニック。突然ニックから別れを切り出され、傷心のまま日常に戻ったルイの前に現れたニックの弟・テオ。2巻完結、面白かった!兄への執着から失礼なことばかり言うテオに、負けじとやり返すルイが小気味いい(虚勢だけど)。敵(ルイ)を知るために執着の矛先が変わり、やがて不器用で哀しい面が見えてくるにつれ、今度はテオが可哀想で可哀想で。親というか家が悪い典型だけど、ニックは普通に腹立つな。ニックに囚われ、ニックを通して相手を見ていた二人がちゃんと互いを見るようになり、寄り添って心が通い合う姿がとてもよかった。見栄っ張りで大人気ないけど、愛情深くて善良なルイに捻くれて育った兄弟が惹かれるのはよく分かる。これからもニックは逞しく、テオは素直に生きて欲しいです。