一つ一つが胸に響く





2021年9月1日
血の繋がりの無い小学生の弟を育てることを生き甲斐に、明るく頑張っているホストの雫。引っ越し先のアパートの隣人、無愛想な辻堂との出会いから物語は始まります。「ご飯ください」が本編で、「いただきます」では辻堂目線で雫への気持ちを振り返る形で描かれています。タイトルが絶妙で、読み終えてこのタイトルを見ると、それだけで胸に込み上げるものがあります。親に捨てられた兄弟。人間関係に疲れ会社を捨てた男。雫と辻堂は関わりの中で、互いに、今まで得られなかったものを感じるようになっていきますが。。。心理描写が丁寧で、物語がわかりやすく、内容は深いです。切なさいっぱいで、癒しもいっぱいです。いろいろな涙が溢れる心温まる作品です。出来ましたら、火崎先生のあとがきにもありましたが、是非菊太郎が成長しての恋物語など、読みたいと思います。

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