ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版
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ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~ 完全版

一穂ミチ/竹美家らら

萌えよりも考えさせられた話

ネタバレ
2021年9月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ (BL小説)

タイトル通り雨が降り続き喧騒を消してくれる雨音に逃げつつ 鬱々と乾いた心が雨に浸食されるような話で、後半のまさに土砂降り展開は私も濡れ鼠になった気分でズシリと心にきました。連日雨の夜に読了です。好みかというと萌えなかったので微妙ですが、和む挿絵のタイミングが絶妙で助かり^^;
展開の説得力が良かったです。

彼女と同棲二年の男と、同性幼馴染と同居中の男の二人が抱える苦悩は、円満同居なのに相手に向き合って貰えず触れる事さえ許されない性事情。誤送信からメル友となり悶々とした気持ちを互いに解放するうち、同期同僚だと気付く27歳同士の営業部一顕×総務部整。

〈優しく望まれ優しく拒まれ続ける〉←辛い関係に傷つく二人が距離を縮めて行く展開は、雨の情景と切実な苦悩と満たされない性欲がリンクし息苦しくも引き込まれ、一線を超えた二人の没頭からはエロさよりやっと生身の人間になれた生を感じました。

一顕・かおり・整・和章のヒューマンドラマの軸にあるBL。
秘密を分け合ったのが同性だから成立してるんですね。
女性に相談ならヤバい絶対読んでない(笑)

→続編+番外編『メロウレイン ふったらどしゃ ぶり』
→スピン和章編『ナイトガーデン』

※どしゃ ぶりの'しゃ ぶ'が不適切用語って(°_°)
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