ロング・ゲイン ~君へと続く道~ コーダシリーズ(1)
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ロング・ゲイン ~君へと続く道~ コーダシリーズ(1)

マリー・セクストン/一瀬麻利/RURU

心地いい読後感

ネタバレ
2021年9月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ あぁ、やっぱり海外のBL小説っていいですね。ユーモアのある会話も好きですが、2人の幸せたっぷりな姿がずっと続くだろうと容易に想像できる終わり方に心が満たされます。
コロラドの田舎町に住むゲイのジャレドとその街に転勤でやって来た警官マットの物語。保守的な街なのでゲイを牽制する空気が漂っていますが、そんな中でもジャレドは気丈に正直に生きている。そこに、ジャレドを友人として扱ってくれるマットが現れてジャレドの生活が途端に色づき始めます。その時のジャレドの高揚感は如何程だったろうと、こちらまでウキウキするほどでした。
ジャレドの努力もあってなんとか良い友人関係を続ける2人。しかし、マットが自分でも気づかないくらいジャレドに甘えてしまったところから、その危うい均衡が揺らぎ始めます。ジャレドの焦燥と喪失感もマットの苦悩と混乱も凄くリアルで、ゲイとノンケ(と思ってる男性)の恋愛がそう簡単にはいかない現実をまざまざと見せつけられました。ジャレドもキツかったけどマットはもっとキツかったはず。それでも互いを求める気持ちに素直になって相手を慈しむ姿が本当に温かくて、ようやく2人の気持ちが重なった時は感慨深いものがありました。
そんな2人を最初から優しく応援するリジーは、見習いたいほど素敵な女性。海外BL小説に出てくる女性って軒並みお節介で図々しかったりしますがw、リジーのお節介はあまり嫌じゃなかったな。もちろん多少嫌な奴は出てきますが、2人の多幸感がその存在を消し去ってくれるので読後感は最高です。イラストも◎、シリーズ2作目も読んでみます!
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