寄宿舎の黒猫は夜をしらない
」のレビュー

寄宿舎の黒猫は夜をしらない

鯛野ニッケ

下巻を読んで涙しました

ネタバレ
2021年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ ブラン・カレッジハイスクールに在籍中の監督生ジーン×奨学生トップのユキ、同級生のバベル×アウラのお話です。
最初、吸血鬼?に噛まれた跡があるということで被害者のアウラを聞き取り調査されたことが寮の食堂で話題になり、ユキは信じてなかったので傍観者として聞いていただけだったのに、ユキにいつもちょっかいをかけていたジーンにある日噛まれてしまった事から吸血鬼?はいるのかもしれないという疑念を抱いていた。
ただ、記憶が曖昧な事もあり、調べない事には解決しないと思ったユキは独自で調べていくことに。
調べていくうちに色々な事が分かり始めていたのに、ふとジーンが吸血鬼?かもしれない疑念が再び再燃していたのだけど、同級生のバベルが怪しいことにも気がついてふと問いただすと、やはりバベルが吸血鬼?というか吸血人間と分かり、襲われる所でジーンに助けられる。
ジーンは好きという感情からその人間から発せられる銀の燐粉に当てられてユキを噛んでしまったけど、バベルはアウラから発せられる銀の燐粉を見て綺麗だと思いつつ、アウラから好きという気持ちを目で見て気がついてアウラに牽かれていたことでバベルはアウラを噛んでしまった。
好きという気持ちもあったけど、その銀の燐粉から発せられる物に吸い寄せられるように彼を噛んでしまったことに、後悔の念も抱きつつ気持ちにはあがらえない自身にも悩まされていたことを告白してきた。
アウラはバベルに噛まれると記憶がなくなっていたから、好きという記憶とバベルという人の記憶すらなくなっていたことにバベルは悲しみ苦しんだんですよね。
ジーンもユキを噛んでしまったことに後悔し、悩み苦しんだ。けど、ユキはジーンという人を否定しなかったし、むしろ理解しようとしてくれていた。
ジーンにとって、ユキは自身を見てくれていた唯一無二の存在であることがわかったし、ずっと悩んでいた事に理解を示してくれたユキを好きだし守っていきたいと思った。
色々な人がいる中、人種差別してもいいことなんてありません。それを教えてくれる作品だと思いました。
ストーリーも人物も凄く素敵で、読んでいて引き込まれていくお話に涙しました。
心洗われる作品にとっても救われる思いでした。
まだ読んでない方は試しに読んで見て下さい。
バベルとアウラ、そして先生の若い頃のお話のスピンオフも読んでみたいです。
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