舟を浮かべて
」のレビュー

舟を浮かべて

阿弥陀しずく

ニコニコしてハッとしてニコニコする

2021年9月8日
フォローしている方々おススメの作者さんで、読みたいな~と思っていたので、セールうれしい!(9/9まで)
とっても可愛かった~。フォローさん仰るとおり、気付いたらニコニコしてました。
世間知らずなお坊ちゃまDKとクールな庶民派DKのお話で、特に障壁もなく、さらりと読める展開なのですが、不意にこちらの価値観を波でさらうような言葉の返しに、ハッとします。
日常的に、自分の評価とか自分がどう思われるかは無頓着ではいられなくて、それは、仕事をする上でも、人付き合いの面でも、大事な側面でもあると思うのですが、そこが第一になってしまうとしんどいし、それよりも大事なことを見失ったりしていないかなっとドキっとさせられました。そういうところが、ピピッと通じ合えた2人。なのに、山路くん、「昭和」と言われてからの反応が…あぁ、青い春。もう、ほんと好き。辻くんも、好みド直球です。
笹舟の作り方を知っている山路くんの気持ちの強さは、きっと周りの大人たちが良い人たちだったからだろうなと思うのと、辻くんとの出会いで、さらに一歩踏み出せたことは、彼にとっての船出のようなものだったんだなぁと思いました。迷走しつつも沈むことなく、辻くんの元へ行きつき、これからは2人で漕いでゆくのだなぁとまたまたニコニコ。え?滝川さんが漕ぐ?笑。
脇の人たちも、出しゃばり感ないのに、心に残る演出。朝、何事もないかのようにカーテンを開ける滝川さんの姿は、某優雅な資産家に仕える執事を思い起こしました。どこのお屋敷も執事は完璧ですね。面白かった!
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