陰の間に花【電子限定おまけ付き】
」のレビュー

陰の間に花【電子限定おまけ付き】

ひるなま

生成とは、、

ネタバレ
2021年9月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 諸説ある般若の成り立ち。
何とも言えない余韻を残す御本でした。
作中でははっきりとした姿が明かされない「 旦那さま 」と旦那さまだけを慕い続ける「 紫苑 」とその紫苑を求めてしまう「 のし 」この3人模様の繋がりや形が絶妙に感じる。
人の心の内に隠された「 嫉妬 」「 怒り 」「 自己抑制 」なるものを、時代背景にあわせた美しい絵と巧みな言葉で翻弄されるようなそんな錯覚を覚えました。
誰かの想いが遂げられたのか、或いは、誰一人想いを遂げられない結末だったのではないか、と様々な想像力を掻き立てられる。
陰間のお話ということですが、エロに傾斜する事無く、艶のある美しく切なく、その後の予感や余韻を満たしてくれるお話。
巻末の作者さまの庶民生活の文化史であったり髪結の形の説明などもわかりやすくとても興味深いものでした。
闘病中ながらも、美味しそうな食事のアップやコロナによる医療現場や政治に対する見解などを拝見し、此方まで元気を頂けました。ありがとうございます。
( 16日迄、半額セール )
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!