家ではなく人に憑く座敷童子爆誕(お幸せに

ネタバレ

2021年9月16日

このレビューはネタバレを含みます▼ 不幸体質な安桜翠はラノベの新人賞を獲ったもののすぐに事故に遭い、目覚めると2年の月日が経っていました。まずは小説に専念できる環境をと、少ない予算で訳あり物件に入居します。古くて広い日本家屋の中の絶対に入ってはならない部屋に入ってしまった翠の前に、怪しのモノが姿を現します。そこには刑部狸、獏、座敷童子が住み着いていたのでした｡ガタイの良い美丈夫である座敷童子は、家が没落しないようにと誰もいないこの家に封印され、中身は子供のまま身体だけが大きくなってしまったのでした｡遊び相手も無くずっと独りぼっちだった座敷童子はすぐに翠に懐きます。不幸体質で周囲から疎まれ、独りぼっちの寂しさを知っている翠ですが、連日遊ぼうと纏わりついてくる座敷童子に仕事も捗らず､つい突き放してしまいます｡その後､座敷童子は姿を消してしまうのでした｡
見た目は大人､中身はコドモの座敷童子が、翠と出逢って中身も成長してゆきます｡思春期を迎え､好きから恋へと翠への気持ちも変化を遂げる座敷童子が愛らしいです｡腹黒なイケメンの獏、人間なのに妙に妖怪臭い編集の江成さん、翠のことが好きな義弟の幸汰、ゆるキャラ刑部狸と脇キャラもバッチリです。ただし思春期止まりですのでエロはそれなりです｡妖怪も人間も、お腹が空いたり寂しくなったりした時に早く帰りたくなる場所があることは、とっても幸せなことなのでした。

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MW さん

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