アンタイトル
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アンタイトル

紀本

ふんわり匂わせるBL

ネタバレ
2021年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻と2巻は全くお話しが違うもので、共通点があるとすれば、生きてる者とそうでない者とのラブ・・・という感じでしょうか。作風としてはエロ無しエチ無しで、一般の方にも読んで頂ける雰囲気の作品達だと思います。
1巻目は出だしが喫茶店でリーマン同士が雑談・・・のように見えるのですが実は死神と悪魔の近況報告的なシーン(^^;どの世界もお仕事大変ですね・・的な雰囲気ですが、願いを叶える代わりに命を貰う悪魔の・・・風変りな小説家に恋してずっと傍に居続ける・・・そんな、ちょっとセンチメンタルなお話しです。匂わせBLなのでキスさえも無い・・・この2人の距離って縮まないんじゃないかしら(^^;でもこの小説家の命が尽きる時のお話しを是非描いて欲しかったな(それこそ無粋なのか?)・・・っていう、お洒落な終わり方でした。
2巻目はちょっと哀しい、これまたほんのりBLなラブストーリー。
バス停で出会う2人の会話から始まるのですが、記憶を失ってるらしい青年とそんな男を知っている風の大学生の・・・じわじわと解ってくる切ない真実に、ちょっと涙します。他の作品もそうなんですが、いかにもな日常の一部を切り取った感じの作品が多くて、いつもの風景なのに2人にはきっと違う風に見えているのだろうな・・・という、ちょっと肌寒くなり始めた時期の切なさ・・のようなものを感じるのです。画も上手いし、風情のある作家さんだと思います。
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