東海道新幹線殺人事件
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東海道新幹線殺人事件

葵瞬一郎

こんな題名の推理小説が読みたかった!

ネタバレ
2021年10月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 夏樹静子氏の「77便に何が起きたか」と言う推理小説の文庫本に「山陽新幹線殺人事件」と言う短編推理小説が収録されています。僕自身、この短編推理小説の登場人物名は記憶していませんが,「保険外交員の男が顧客の女性を殺害した」と言うあらすじだけは微かに記憶しています。僕がこの推理小説の文庫本を購入したのは阪神・淡路大震災の前夜でした。僕はその頃から「少女漫画でも一般の推理小説でも何でも構わないから、東海道新幹線殺人事件と言う題名の本が読みたい」とか「推理ものの少女漫画が増えて欲しい」とか言うふうに思うようになりました。夏樹静子氏や山村美紗氏などの「女性推理小説作家」があれだけ大活躍したのですから、「推理ものの少女漫画」が「エースをねらえ!」や「ベルサイユのばら」みたいに大ヒットしたとしましても決して不思議ではないでしょう!?はざまもり先生の「霊感占い殺人事件」同様、僕は「殺人事件」と言う題名が付いています漫画や小説をいろいろ検索した結果、この「東海道新幹線殺人事件」と言う小説を見つけました。東海道新幹線の小田原-新横浜間ですれ違いました「ひかり号」と「のぞみ号」から2人の女性の頭部切断死体が発見されたと言うプロローグは勿論ですが、推理小説作家であります主人公の「国見綺十郎」こと「朝倉聰太」の死に物狂いの推理、二転三転する警察の捜査、そして「長谷川百合」と言う意外な真犯人の浮上と彼女の連載殺人の動機になりました「慕い続けた兄の不本意で屈辱的な死」、どれもとても見事でした。それにしましても、飲酒運転で何の罪もない「長谷川百合」の兄を殺し、彼女を連続殺人へと追いやりました「大八木茂」と言う男、本当に許せません!「エースをねらえ!」の原作でも、宗方仁が主人公の岡ひろみに対して「道交法さえ厳守していれば車の運転は安全だが、飲酒運転やスピード違反が大惨事を招く」と言っていますが、この「東海道新幹線殺人事件」と言う小説にしましても、その通りになりましたね。初め僕はこの推理小説をスローペースで読むつもりでしたが、あまりにも二転三転するあらすじのために後の展開が異常なほど気になり、つい一気読みしてしまいました。ですから、「エースをねらえ!」の全単行本を一気読みしたとおっしゃっていますおかさんの気持ちが、僕には痛いほどよくわかります。
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