乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
ひだかなみ/山口悟
このレビューはネタバレを含みます▼
この作品の面白い部分は、『主人公が実際のゲームのヒロインの立場を、なんやかんやで奪ってしまい、破滅ルートからハーレムルートに行く』という点です。
主人公が実際のゲームとの違いを「?」と思いながら勘違いで進んでいくのは、確かに笑えます。
そして破滅するか否かの問題は4巻で決着が付きます。
問題はその後です。
5巻以降は現実世界で主人公が死んだ後に発売された『乙女ゲーの続編』のストーリーです。
当然主人公は自分の死亡後に、ゲームの続編が発売されたことなど知りません。
つまり5巻以降は『乙女ゲー』設定は関係なく、ただの異世界ファンタジーになってしまうのです。
さらに破滅ルートを回避してヒロインポジになった主人公なので、『本来ヒロインが進むべきルートを主人公が奪っている』という、4巻まであった、読者が笑ってしまう部分がなくなってしまっています。
作者が意図して作ったのか、それとも売れているから出版社が続けさせたのか、まではわかりませんが。
とにかく、面白いのは4巻まで。5巻以降は蛇足です。
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