you are my religion 太陽に抱かれた牧師
」のレビュー

you are my religion 太陽に抱かれた牧師

九州男児

とても興味深いお話です。

ネタバレ
2021年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 九州男児先生の御本を読みホでいくつか読ませて頂き、気になった此方を購読。
とても興味深いお話でした。
1930年代アメリカを舞台にアメリカ大陸にやってきた白人に追いやられ土地を奪われた先住民の一部の部族の信仰や儀式、慣習や暮らしが様々な資料で独自の解釈を用いながらストーリーに織り込まれています。
白人側のゲイの牧師トーレス×先住民側のレッド。
それぞれの信仰の考え方の違い、伝え方。
「 誰かの解釈を介してしか理解されない聖書の言葉は時に人と違う誰かを排除 」この言葉に怒りのような痛みを感じました。聖書に限らず現実社会同様だと複雑な心境になります。時には一部の者により、ある時は多勢の都合や保身により、今もなお多くの人々が「 排除 」され続けていくのだろう。
聖書に書かれている洪水と口伝による地上は浄化の為に海に沈む、天使と鷲、ジーザスとサンダンスのダンサー。
元を辿れば同じものだったのかもしれないが長年にわたる社会の多様性や土地慣習などによって枝分かれしていった事も沢山あるのではないかと考えさせられました。
テーマ的には重くなりかねないお話ですが、そこは九州男児先生らしいコミカルなコマを取り入れていただきテンポ良く読み進められます。
とても良き御本に触れる事ができ、先生に感謝です。
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