キスで描く一等星
」のレビュー

キスで描く一等星

綿レイニ

優しさに泣けてしまった。

ネタバレ
2021年10月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。既刊作品を読んだ中では、一番ピュアでキラキラな恋です。窓際越しに見える隣のクラスの男子・瀬乃。気になってると、話しかけられて嬉しくて膨らむ気持ちに、これだけでドキドキ。
瀬乃の良からぬ噂話を耳にして、注意する真っ直ぐな千歳の正義感も眩しいし、それを気にせず普通に出来るのも素敵な男の子だなぁ。もっと知りたい、もっと近づきたい。どんどん自覚する気持ちに噂話が邪魔をして、戸惑う千歳がちょっと切なくて…
誰より辛いのは瀬乃自身で、せっかく仲良くなれた千歳に打ち明けるのも勇気がいったはず。人の悲しみを自分の事のように泣ける千歳が優しくて、真っ直ぐにぶつかってくる彼が愛おしく感じられます。泣けちゃうよ、ホントに…
美術の先生の言葉にうるうるし、千歳の母の言葉にうるうるして、優しさばかりが詰まっています。美術の先生は、ちゃんと生徒を見守って理解してあげています。人を理解するのも、理解してもらうのも、歩み寄り。大切な事を瀬乃は学んだんじゃないでしょうか。話してみないとわからない事がある。動くきっかけを怖がらずに前に進めば、諦めなくてもいい事だってある。千歳という友達を得た事も、恋に変わって手にした事もそうですね。お母さんとも、話が出来て良かった。瀬乃くん、辛い事もあったけど、幸せを自分の手で掴めて良かったです。もちろん、千歳もね。
作中に出てきたオリオン座。なんて素敵な使い方なのぉ。瀬乃くん、君の中で輝いてるよぉ(泣)
書き下ろしの二人の初エチが、とっても初々しくて、可愛くて、ニマニマします。
二人の恋はタイトル通り、一等星のように輝いて眩しかったです。それくらい素敵でした!
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