命の軽さに重しを付けるまで





過去のレビューを全部読ませていただいた。深いファンの方々ばかりで、最近ファンの末席を汚したような私の感想などは既に先輩方が語り尽くしていらっしゃる。西田ファンはすごい方ばかりで、それがこんなにも嬉しい。。
さて感想というかすごく気に入ったことを、字数の関係上少しだけ。
作中にクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を引用されている。先生の愛読書らしい。この小説に「一度しか起こらなかったことは一度も起こらなかったと同然」という軽さの表現がある。私はこのロマンティックを、一つしかない命の軽さに、重さを付けたいと願う2人のヒーローの話として読んだ。お互いを重しとして生き続ける未来のハピエンなのだと。
細かくは、赤いタオルが中国の黄巾党を彷彿させてちょっとツボったり、村上春樹のデビュー作の冒頭で(つまり作家村上春樹の始まりである)既に合わないと言ってのけるジョンが気取り屋じゃなくて一気に好感を持てたりした。なのにまだ読もうとする心意気も好きだ。
村上春樹を否定しながら、好ましい男を誘う時は思いっきり村上春樹の代名詞であるメタファーって、切ないよ。(この比喩は何かの引用でしょうか?もし判る方がいらしたら是非教えて欲しいです。)
コトを致したシーンで、入っていながら出している断面図(?)が、書き込み少ないし白抜きなのに妙に説得力がある。前のコマのジョンのイキ顔と、その前のコマの前田の頬の飛沫。その後の繋がったままで聞く爆撃音。軽い命の刹那が、泣けた。
こんなに読めて良かったと思える作品を描ける先生が、筆を折らなくて本当に良かった!
近いうちに「不滅」も読破して先生の世界に少しでも近づきたいと思っています。
どうか今後も楽しく描き続けてください!
最後に、プロパガンダポスター風のカバー絵がめちゃくちゃカッコイイ!名和田先生のハイセンスには度々唸らさせていただいています。

-
ぴひこ さん
(女性/-) 総レビュー数:62件
-
まにまに さん
(女性/30代) 総レビュー数:7件
-
pug さん
(女性/-) 総レビュー数:192件
-
やまと さん
(女性/50代) 総レビュー数:11件
-
ララ さん
(女性/40代) 総レビュー数:116件
-
slen さん
(女性/60代~) 総レビュー数:0件
-
くだけねこ さん
(女性/40代) 総レビュー数:0件
-
fff さん
(女性/40代) 総レビュー数:112件
-
higa さん
(女性/20代) 総レビュー数:0件
-
shikimi さん
(女性/50代) 総レビュー数:439件
-
lucky さん
(-/-) 総レビュー数:0件
-
しろくろうさぎ さん
(-/-) 総レビュー数:197件
-
:::::::: さん
(-/-) 総レビュー数:656件
-
salmon さん
(女性/50代) 総レビュー数:2131件
-
チョロマカツ さん
(女性/40代) 総レビュー数:626件
-
まる さん
(女性/-) 総レビュー数:649件
-
Hammy さん
(女性/-) 総レビュー数:596件
-
あいびー さん
(女性/30代) 総レビュー数:667件