恋ヶ淵エクトプラズム【電子限定特典付】
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恋ヶ淵エクトプラズム【電子限定特典付】

オオヒラヨウ

長く楽しく幸せな夢をみていた

ネタバレ
2021年10月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 39歳の槙野恭一は毎日決まった電車で乗り合わせる学生らしき青年に秘かに恋心を抱いています。ある日、その青年が車内で槙野の痴漢容疑を晴らしてくれ、二ノ宮直哉と名乗ると「また明日」と言って爽やかに去って行ったのですが、二度と同じ電車には乗ってきませんでした。早く忘れようと心機一転、引越しをした槙野の新しい部屋に、いきなり直哉が現れます。質量も手応えも無い直哉は槙野以外の人には見えず、生前の記憶もほとんど無いのでした。何か心残りがあるらしい直哉の、今度は自分が力になりたいと二人の同居生活が始まります。直哉に教えてもらいながら料理をしたり、一緒に映画を観たり、充足した生活が続く中、槙野を訪ねて元彼がやって来ます。槙野をゲイだと知らない直哉の前で、元彼は槙野に復縁を迫ってくるのでした。
ストーリーに既視感は否めませんが、物静かな槙野が年齢を気にしながらも電車の中でこっそり恋をしたり、母子家庭で育った直哉が、 スーツで出社する槙野の姿に憧れたりと、主人公二人の姿をとてもリアルに感じます。何よりも、直哉が電車に乗ってこなくなった時から数えて計3回、恋を諦めなければならなかった槙野の幸せを心から願いました。お幸せに。
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