BLACK SUN 奴隷王
」のレビュー

BLACK SUN 奴隷王

小笠原宇紀

イケメンは免罪符

2021年10月17日
「抱擁実験」の衝撃が忘れられず、こちらも着手。
美貌の十字軍の騎士が帝国軍最強の将軍に捕らわれ、捕虜として帝国に連れ去られる。将軍と捕虜という敵同士でありながら、次第に二人は惹かれあって…という話。

この小笠原宇紀先生、なんというかとっても独特な感性を持っていて、このユーモアのセンスが癖になる。
ほぼ無修正の屹立したティンコがずっと出てくる変態シーン、「自分はいったい、なんというものを読んでいるんだろう」と思った瞬間、笑いが止まらなくなった。
絵は超美麗。軍服・黒髪・褐色の肌の攻めさん最高。
14年前の作品だから、これはトーン貼る作業大変だっただろうな…。

笑っていいのか悪いのかわからない、斜め上のストーリー展開。いやでもちゃんとBLしてるし。いいのかこれで。
初めて二人が致すシーンも冷静に考えたらかなりアレなのだけど、イケメンだからすべて赦されます。あと受けさんはもう少し物語の中で活躍するシーンがあったらよかったのだけれど、なくてもイケメンだから赦されます。イケメンは免罪符。

フォロー様が「誰が何と言おうと好き!」て仰る気持ち、わかります。私は「抱擁実験」も「BLACK SUN」も、どちらも鋼のように強い男が出てくるのがたまらなく好き。絶体絶命な立場に追い込まれようとも決してくじけることなく立ち向かっていく姿が滅茶苦茶カッコイイ。これは作者様の美学なのかなと思いました。好きだなぁ、こういう作品。

ちなみにこの作品タイトルの「BLACK SUN」。
もともとはDead Can Danceの同名の曲からとられたそうです。
この曲がすっごくいい。読みながらこの曲を聴くと、とってもハマります
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