男子高校生に憂鬱
」のレビュー

男子高校生に憂鬱

日乃チハヤ

もう完全に虜です。

ネタバレ
2021年10月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ うぅ~、好きだぁ。日乃先生の描く作品が大好き!なんといっても、『片道映画一本分』はすごく好き。作者様買いを重ねる毎に、どんどん、どんどん好きが増すんです。どの作品も文句のつけようがない素敵な作品ですが、これも良かったぁぁぁ。どうしてこんなにも、曖昧で微妙な関係の恋心をキュンキュンさせてくれるのでしょう。先生の作風がツボです。
表題作は高校生と教師の交差し合う視線から、芽生えた感情を上手く描かれています。ホントに凄い作家様。君が僕をそんなにも見つめるから…早乙女の視線に気づいてから意識してしまう桐野先生。いつの間にか、桐野の頭の中は早乙女の事でいっぱいなのは彼が見つめるから?…いつしか『君が僕を』見つめるのではなく『僕が君を』見ているんじゃないのかしら。気にしているのはどっちだ?って感じにニマニマします。早乙女もまた同じような感覚に陥り、二人の間で生まれた勘違い。好かれているのかなと思ってしまう勘違いを巧みに使って出来る『恋の妙』とでも言いますか…勘違いは勘違いでなく、確かなものなんだけど、恋心が芽生えて本物になるまでが絶妙です。さすがの日乃マジックですね。桐野先生は、とうに心を奪われていたかもしれないし、真っ赤になるほど惚れてしまった先生が、とても可愛いんです。先生より小さかった早乙女が、卒業する頃には背を追い越し、ちょっと大人な雰囲気で結ばれた時にはノックアウトの私でした!先生よりも一枚上手かもしれない、いたずらっ子のような早乙女に拍手です。
そして、そして『水曜のクロノスタシス』がたまらんです。これは『片道映画一本分』に負けず劣らず良かったぁぁぁ。両方ともめっちゃ好きーーーっ!
めんどくさがりのお隣の財前くんと、一緒にコイン-ランドリーでお洗濯する岬くんの健気な恋。好きな人と一分一秒でも長く側にいたいという純粋な気持ちに、胸打たれます。君との大切な時間をゆっくりと時間をかけて過ごす幸せな一時。これをねぇ、詩を詠むように、繰り返すんですよぉ。なんかそれが素敵でね。繰り返す想いが、やけに切実で愛おしくもあり、切なくもあり…どれほどその時間を大切にしてるのか、ひしひしと伝わってくるんです。岬くんの想いがたまらなくて。財前くんの動き出した想いに感動して。これは最高だよぉ。好きだぁぁぁ。
ま◯様のレビューでセールを知りました!ありがとうございました!28日までです。
いいねしたユーザ22人
レビューをシェアしよう!