狼の花嫁
」のレビュー

狼の花嫁

りゆま加奈

シリーズ買いです。

ネタバレ
2021年10月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズの3作目。これまでは狼と白鹿の血を引く民族同士の物語だったのですが、この作品では狼の国の第二王子ゼスのもとに前代未聞の外国からの花嫁として大国西の国の王女ルーイ(実は虐げられていた半陰陽の王子)が政略結婚で嫁いできます。ゼスに半陰陽だとバレたルーイは花嫁としてではなく人質として扱われることになりますが、やがて2人は心を通わせていきます。そんな中、ルーイの兄アズラクによって両国間で戦争が始まってしまいます。
ぶっきらぼうながらも真っ直ぐに愛情を伝え守り抜こうとするゼスが頼もしく、彼によって徐々に自分を取り戻し、ゼスのために自分で出来ることを探し強くなっていくルーイがいじらしく、また、ゼスの婚約者だった白鹿のユルールがルーイに恋をして自分の想いが実らないと知りながらもルーイを支える姿に胸打たれます。
このシリーズは切ない関係だった2人がやがて想いを成就させるストーリーになっています。今までで本作が1番切なく重い話ですがハッピーエンドだと信じているので面白く読めています。主人公の2人以外にも好きな登場人物が多いので誰も不幸になりませんようにと祈っています。
今作品で一つ疑問に思うのは、第一王子ハジの番が白鹿ではないことです。この世界でユルールが白鹿として現れた時にハジに白鹿がいなかったのなら、平和の象徴で子孫繁栄の証である白鹿ユルールは第二王子ゼスではなく第一王子ハジの番になってたんじゃないかと思ってしまいます。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!