愛人 ラマン
」のレビュー

愛人 ラマン

高浜寛/マルグリット・デュラス

小説の雰囲気を受け継いでいる

2021年10月31日
小説の「愛人 ラマン」「北の愛人」共に読み、映画も見たが、小説のニュアンスを受け継いで且つ簡潔にまとめたと言う印象。
160ページほどながら当時のインドシナの雰囲気や切ない感情は伝わって来て、映画を観たような読後感。
後書きを読めばなぜこの漫画の主人公2人が美男美女でないのか納得のいく説明がされている。
小説と比べると映画の方にこそ原作にはないシーンが散見されて、それ故にデュラスが映画は気に入らなかったのかも知れない。俳優のような美男美女の夢物語でなく、普通の少女と資産家ではあれど普通の青年との物語なのに、映画の中では装飾過多で現実や自分の想い出を歪曲されたと感じたか… 尤も映画であるからにはそうでないと成り立たないが。
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