みのりの森
」のレビュー

みのりの森

まりぱか

痛みと慰めと

ネタバレ
2021年11月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者さん買い。297ページ760ポイントの長編作です。多くのレビュアーさんが帯の煽りについてコメントされてますね。私もTwitterで帯をみて気になって買ったひとりです。大号泣とあると期待値上げすぎてレビュー評価が下がってしまうので帯の煽りはほどほどがよいかと。。でも売り上げには貢献するからいいのかな。
流し読み、ダメ絶対、な作品です。作者さんの仰る通りお酒でも飲みながらゆっくり表情を味わって読んでください。1度目でわからなかったことも、他のレビューにもあったように少し時間を置いて結末と人物背景をを知った上で2度目に読んだら沁みました。一言でいうとサバイバー達のお話。彼が自らこの世を去っていった理由は意図的に描かれてないと思います。本人もよく分かってなかったんじゃないかな。誰にでもそういう人生のエアポケットに落ちてしまう可能性があって、そこにSNSやネット等便利で一時でも繋がれる手段があったら背中をひょいと押されて戻れなくなってしまう。どんなに嘆いても喪われた彼はここにはいないから、残された人たちはなぜどうしてと永遠に答えのない問いを抱え、こちら側でそれでも生きていく。その過程を痛みと慰めと共に描いていきます。

ちなみにエチは表紙と上下逆ですから、もし気にする方いらしたらご注意を(私は気になりませんが。。) あと、エチ描写はなくても良いんじゃないかなとも思ったけど、ないと、きっと商業BL的に成立しないから入れないといけないんですね。。

光が射す読後感で悪くはないのですが、喪われたものはもう還らない。読後に明るいラブコメ用意しておくといいかもしれないですよ。重い作品が続いたので、次は私も徹頭徹尾明るいお話読むことにします。
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