このレビューはネタバレを含みます▼
作家さん買いです。かつて高校生〜大学生の頃、7歳年上の既婚男に騙された経験がある27歳の叔父、宝(たから)と、そんな宝に幼少期から想いを寄せ、猛アタックし続ける血の繋がりのない16歳の甥、理(おさむ)の歳の差カップル。
普段は成人男性と未成年の組み合わせのBLは読まないようにしているのですが、本作は年上の宝(受け)が、未成年の理(攻め)から一途な思いをぶつけられ続けるも、大人として「高校生の理とどうにかなる気はない」ことをしっかりと伝えており、宝が理のことをどんなに愛おしく思っても簡単には「陥落」しない所にとても好感が持てました。
酔った宝に衝動的に襲いかかろうとすることもあった高校生の理ですが、「理を大人に遊ばれた子供にしたくない」という宝の頑なな想いに触れて、どう足掻いてもやっぱり自分は「まだ全然余裕で子供」なんだと、未成年である自分の立場を理解し、「宝さんの味方」となるために自制を覚えるようになるプロセスが丁寧に描かれているところも素敵です。
最終的に、諸々の欲求は我慢しても恋を諦めることはしない理のひたむきで真っ直ぐな想いに絆されて二人が両思いになった後も、高校を卒業するまでは(キスはしても)性行為はしないという姿勢を貫き通す倫理観がとても信頼でき、安心して作品を楽しむことができました。
そして、2年以上待っての初おセッセシーンはページ数的にはあっさりめでしたが、「理とヤる前の最後の宝さん」の見納め股開きショットがとーーーーーーーっても色っぽくて眼福で、個人的に大変ツボでした。『ボクたちはまだ青く』や『恋しいリバイバル』に次ぎ、愛おしさに溢れた作品でした。