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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 初恋のあとさき

    日高ショーコ

    シグナルシリーズの中で本作が一番好きです
    ネタバレ
    2022年9月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校時代のトラウマから、恋愛に怖気付いて誰ともマトモな関係を築けなくなった(『嵐のあと』にも登場していた)美山と、そのトラウマの原因である初恋相手、仁科の二人の話。

    レビューを読んでいると、高校時代に酷い言葉を投げかけ美山を傷つけた仁科の薄情さを指摘する声がちらほらあり、実際読んでみてもそれはもっともな批判だと言う他ないのですが、その一方で、美山から求められることを「幸せ」だと感じたこともあるにもかかわらず、「男同士」の関係を「どうせすぐに消えてなくなる泡のような」「未来のない」関係だと当時の仁科に思わせていたのが、彼の元々の保守性もあれど、一番は内面化されたホモフォビアであったことを思えば、言動の酷さが軽くなるわけではないけれど、理解できなくもないなと。
    大人になって偶然再会し、高校時代の因果応報とでもいうかのように美山から何度キツく突き放されようとも、「今のお前を知りたい」と店に通い続け、美山の前に現れる仁科のある種の空気の読めなさと頑固さと馬鹿正直さが私的にはとても良かったです。(この仁科の一貫した頭の固さが受け入れられないと、なんだこいつとなるかもしれませんが。)

    後半には『嵐のあと』の二人のお話も収録されており、開幕早々倦怠期感が漂う始まりに別れの危機かと思いきや、互いの胸の内を明かすことでしっかり堅実な愛を育んでおり、こちらも短いながら前作の本編よりも断然面白く、続きを読みたいと思わせる良質なラストでした。

    本作で引っかかった点として、約10年前の作品だから仕方がないのかなと思いつつも、あとがきで「ホモ」という言葉が使われていたのと、高校時代の初体験時の美山の仁科に対する行為に若干無理強い感がありウッとなりましたが、書き下ろしの二人のおせっせがリバだったのには大変高まりました。短い描写ですが、リバが好きな人にはグッとくるのではないかと。
  • エンゲージ

    南月ゆう

    期待以上の面白さ&旭匡の夫婦漫才も健在
    ネタバレ
    2022年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ラブネストでお馴染みのナルさんのお話ということで、最初はポリアモラスな関係が中心で、そこに新たに参入する新入りくんを通してナルハーレムがどう形成されたかを紐解いていく系のお話なのかなと勝手に思い込んでおり、いつか読もう〜くらいの緩い気持ちで遠巻きに眺めていただけだったのですが、単行本発売に伴い試し読みを読んだところ、poly中心というよりも、年に1度しか会えないナルさんを長年恋慕う、たい焼き屋の息子・盟(めい)とナルの二人の関係性にフォーカスが当てられたお話で、いい意味で予想外で、これはすぐに読まなくては!となりました。
    南月さんの作品にハズレはなく、その面白さは読む前から既に保証されているようなもので我々読者は何の心配もせずに、南月さんが紡ぐ濃密な物語の中にただダイブするのみ…と言えども、そう簡単には前作の面白さを超えてはこないだろうと鷹を括って(?)いたところ、現時点ではまだ二人の関係は恋愛に発展してすらいないというのに、胸キュンありミステリーありの謎解き的な読む楽しさが随所に散りばめられた作品で、1巻にして既に名作と銘打ちたくなる面白さ満載で平伏しました。
    正直なところ、読む前はナルさんへの関心はそこまで強くなかったのですが、読み終わった今は、ナルさんの来し方行く末を全て知りたい…!!という好奇心でいっぱいです。シリーズを通して既にその一側面を見ていた、謎多き不動産王ナルさんをめぐる物語がここまでの広がりと深みを持つことになるとは…とただただ感服するばかりです。そんなナルさんへの関心が高まったのも、ナルさんに心酔する純粋でひたむきな盟という愛すべきキャラクターの視点を通してこそで、そんな彼の繊細な感情と舞台となる別荘の情景や夜空の美しさとが相まって、切なさから愛おしさまで色んな感情が湧き上がってくる作品でした。

    以下、⚠️ネタバレ⚠️を含みますが、盟の想いが純粋な恋なのか依存なのか、盟を「宝物」と形容するナルさんの「愛してるよ」は家族愛にとどまるものなのか、ナルさんは義理兄にどんな感情を抱いていたのか、そして怪しさしかないライター林田の思惑は何なのかなど、まだまだ明かされていないことばかりで先の展開が気になるクリフハンガー状態で1巻は終わっていますが、まだ「土台」部分だからといって物足りなさを感じることは一切なく、読み終わった後は充足感で満ち足りること必至です。
  • テンカウント

    宝井理人

    求めていたSMとは別物でした…
    2022年6月19日
    事前にしっかりセーフワードを決めたり、そうでなくとも、お互いの信頼関係のもとに成り立つBDSMの支配/服従関係が好きで、本作も(精神的な)SM要素があるらしいとのことで試し読みを読んでみたところ面白く、先の展開が気になったので3巻まで一気に購入してみたのですが、求めていたSMとは全くの別物で肩透かしを食らってしまいました。
    性的な身体接触がある2巻の中盤のシーンでは、攻めが、「どこまでならOKなのか」という相手の許容範囲の確認も曖昧なままに、少なからず抵抗や不快感を示している受けの身体領域にずけずけと入り込んでいっており、一方的で強引な印象しか受けず、少なくとも3巻まで読んだ限りでは、SMのエの字も感じられませんでした…。
    精神的であれ、肉体的であれ、両者間の明確な合意と信頼の下で「汚され」たり、恥辱を受けたり、極限に挑んだりする行為に最もセクシーさを感じるので、そうではなく境界線も曖昧で半ば強引なものをSMの類いとされると、それは違うのではと感じてしまいました。
    評価を下げて申し訳ないですが、内容の密度的にも3巻まで読んでやっと他作品の1巻分くらいの読後感だったので、この先も同程度の満足度だったら物足りなく感じるだろうな…と思い、3巻で中断してしまいました。私のようにSMを期待している人にはあまり向かない作品かもしれません。
    いいね
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  • ヒーリングパラドックス 【電子限定特典付き】

    昼寝シアン

    序盤の無理矢理描写が苦手でした…
    ネタバレ
    2022年5月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「攻めの執着が怖い」というようなレビューをちらほら見かけて悩んでいたのですが、『放課後のエチュード』の方にも一部自分の苦手な教師×生徒要素がありながらも、メインCPのお話がとても面白く魅力的で十分楽しめたので、この作家さんなら大丈夫だろうと思い購入しました。
    しかし、序盤でマッサージ中に寝落ちしてしまった受けをオカズに、整体師の攻めが自 慰しているシーンがあり、その行為自体は気持ち悪いものの、相手に接触していないのでまだよかったのですが、その次の来店時に、明確な同意のない性暴力描写(マッサージがエスカレートしての過剰な身体接触からの手コキ&急な指の挿入)があり、受けがよがっているとはいえこれは性暴力だろうと思い萎えてしまったため、もっとレビューをよく読んでおけばよかったなと後悔しました。また、その後に、二人が何もなかったかのように普通に会話を交わしていることに少し引いてしまいました。
    後半は、攻めの長年の執着に受けが根負けしてくっつくという執着溺愛系の王道ともいうべき展開でそれなりに面白く盛り上がったのですが、序盤のnon-con描写が自分の中で一発アウトで、こんな攻めでいいのか、受けよ、という思いがどうしても拭えず…。初手の無理矢理描写さえなければもっと楽しめていたと思います。
  • デリバリーハグセラピー

    宮田トヲル

    まさに読むセラピーです
    ネタバレ
    2022年4月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 安らぎと癒しを求め、ぐずぐずに甘やかされたいという願望をお持ちの疲労社会に生きる皆様、今すぐこのBLをお読みください。タイトルにある通り、読むセラピーです。読んでいるだけで癒し効果がすごいです。
    なんと言っても、受けの尚が魔性と天真爛漫のハイブリッドという感じで、やることなすこと可愛すぎてすっかり虜になってしまいました。尚はさすがバーテンというだけあって、年上をあやすのがうまく、かなり手慣れている感じに見えるのだけど、そんな中にも恥じらいがあったりして、もう存在そのものが愛おしく、貴一が「手放すものかこの天使」と誓いを立ててしまうのも自然の摂理としか言いようがありませんでした。めろすけ(ぬいぐるみ)を盾に照れ隠しする尚など、尚が可愛い場面は無数にあるのですが、無性にぐっときたのが、貴一と尚がバーのマスターの前でジェスチャーのみで会話してる場面で、貴一の言いたいことは何一つ伝わってないけど、頭に「?」を浮かべ首を傾げつつも、とりあえずのピースで尚が返事をするギャルい一コマ。なんなんですかあれは。あの些細な仕草一つにも、尚の可愛さが滲み出ていて、もうたまらん一生慈しませてくれという感じでした。
    漫画のレビューというより、尚担のレポみたいになってしまいましたが、最終的に、お互いがお互いの拠り所となる展開に心が癒され、貴一が尚のことをとても大事に思っているのもひしひしと伝わってきて、心が芯からほぐれました。(初めは、貴一が会って間もない尚にデリバリーハグに加えて肩もみまでお願いしてて、正直、貴一が癒されるばかりでフェアじゃないな、なんとも図々しい奴だと感じる部分もありましたが、後半になると、尚もちゃんと貴一の存在に救われ、癒されていることが分かり、対等な関係になるので大変良かったです。ただ、本人は十分だと言うけど、尚はもっともっと甘やかされていいと思うぞ。)

    最後の作者からキャラクターへのインタビュー形式の書き下ろし?では、作者さんによって貴一が盛大にいじられていて、読者が求めているものここにありという感じで大変面白かったです。相性が良すぎるとしか言いようのない二人にはこれからもずっと体温を分け合い続けてほしい。どうか末永くお幸せに!!(そして続編をお恵みください!)
  • ユアグッドボーイ

    黒井つむじ

    歳の差はありますが、安心して読めました
    ネタバレ
    2021年11月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さん買いです。かつて高校生〜大学生の頃、7歳年上の既婚男に騙された経験がある27歳の叔父、宝(たから)と、そんな宝に幼少期から想いを寄せ、猛アタックし続ける血の繋がりのない16歳の甥、理(おさむ)の歳の差カップル。
    普段は成人男性と未成年の組み合わせのBLは読まないようにしているのですが、本作は年上の宝(受け)が、未成年の理(攻め)から一途な思いをぶつけられ続けるも、大人として「高校生の理とどうにかなる気はない」ことをしっかりと伝えており、宝が理のことをどんなに愛おしく思っても簡単には「陥落」しない所にとても好感が持てました。
    酔った宝に衝動的に襲いかかろうとすることもあった高校生の理ですが、「理を大人に遊ばれた子供にしたくない」という宝の頑なな想いに触れて、どう足掻いてもやっぱり自分は「まだ全然余裕で子供」なんだと、未成年である自分の立場を理解し、「宝さんの味方」となるために自制を覚えるようになるプロセスが丁寧に描かれているところも素敵です。
    最終的に、諸々の欲求は我慢しても恋を諦めることはしない理のひたむきで真っ直ぐな想いに絆されて二人が両思いになった後も、高校を卒業するまでは(キスはしても)性行為はしないという姿勢を貫き通す倫理観がとても信頼でき、安心して作品を楽しむことができました。

    そして、2年以上待っての初おセッセシーンはページ数的にはあっさりめでしたが、「理とヤる前の最後の宝さん」の見納め股開きショットがとーーーーーーーっても色っぽくて眼福で、個人的に大変ツボでした。『ボクたちはまだ青く』や『恋しいリバイバル』に次ぎ、愛おしさに溢れた作品でした。
  • フェイクファクトリップス 【電子限定特典付き】

    末広マチ

    fake datingならぬfake flirting設定が最高
    ネタバレ
    2021年9月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ "fake dating"のように、「恋人のフリ」をしてるうちに実際に惹かれあって付き合う、みたいな設定はよく目にするけれど、「先に落とした方が勝ち」という「口説く"フリ"」("fake flirting/hitting on"?)をして競い合う中で恋に落ちるという設定はありそうでなかったのではないかと新鮮に思い読んでみたところ、ツンデレな2人の関係性が「フリ」を通してライバルから恋人に変わっていく展開にトキメキが詰まっていて、最っ高にキュンキュンさせられました。
    //(以下ネタバレ)//
    実は高校の頃からずっと受けのことが好きだった攻めの、「フリ」の皮を被った本心からの口説きに猛烈にときめくのと同時に、その口説きを受けて、「これは本心じゃないんだ」「真に受けるな」と自分に言い聞かせながらも、どうしようもなく惹かれていってしまう受けがもう可愛くて可愛くて仕方がありませんでした。くっつくまでが長いというコメントをいくつか見かけましたが、個人的にはかなりベストなタイミングでくっついてくれたので、長さ的には絶妙な塩梅だったと思います。そして、最後のおまけ漫画もボリューム満点かつエロくて11ページもあるので満足感がハンパないです。間違いなく何度も読み返したくなる最高の作品で、読まない理由がありません!!