このレビューはネタバレを含みます▼
『あやしの湯ももいろ美人』のスピンオフ。あやしの湯で働く鬼村×狸央の出会いから現在までの150年間が描かれます。変化に失敗して泣いていた化け狸を助けた妖怪祓いの鬼村は、助けた狸に一目惚れされます。幼い頃からその特異な能力で人の汚い部分を見てきた鬼村は、一人で生きていく決意をしていたのですが、一心に懐いてくる化け狸の狸央を無碍にできず、そのまま側においていました。そんな二人が、山に魅入られた娘をなんとか手元にに引き留めたいという老夫婦の依頼を受けます。山に還り山神になるという娘に一緒に来るよう誘われる鬼村でしたが、鬼村は狸央と一緒にいることを選ぶのでした。時は現代に移り、『あやしの湯〜』の舞台となった再開発地区に山姥が移動してきます。
『あやしの湯〜』ではわからなかった、七尾が時折みる夢、森の中で気配を消せと言われて身を潜めていた幼い頃の記憶の真実と乙丸との関わりが明かされます。
また、難しいことはわからない、鬼村のことが好き、ただそれだけという狸央の獣らしいシンプルな真っ直ぐさが刺さります。鬼村を愛し人に変化した狸央と、狸央と一緒にいる為に人間でいることを辞めた鬼村、長い長い時間を共に過ごし、それでも日々新たな気持ちでお互いを好きだと想い合う純愛CPのお話です。