bitter drop ビター・ドロップ
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bitter drop ビター・ドロップ

四宮和

気持ちの変化の描写は丁寧

ネタバレ
2021年11月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家さんで、発売当初からずっと気になっていたんですが、今回セールで購入しました。表題作「bitter drop」1話+スピンオフ「suger drop」5話+suger dropの描き下ろしで合計213ページ。正反対の双子のDK鋼と春のお話です。表題作「bitter drop」は双子の弟・鋼×野球部の柴先輩のお話で、スピンオフ「suger drop」は元野球部の風間×双子の兄・春のお話です。(ちなみに両方のお話とも直接的な行為の描写はないのでポジション不明なんですが、体格とか話の流れからの想像です。)試し読みの部分は表題作の鋼×柴先輩の部分だけになりますが、実際はスピンオフの風間×春のお話がメインみたいになってるので、試し読みと違う!となるかもしれないです。
さてこの双子ですが性格が正反対で、兄の春は真面目で堅実な弟の鋼に対して羨望感みたいなものを抱えています。劣等感とまではいかないけれど、他人の期待に沿えず落胆されることから逃げるために「適当」に生きてきた春が初めて執着した風間の隣のポジション。風間と春が少しずつ距離を縮めていくその様子がとても丁寧に描かれていたと思います。ただ、読者から見ると相思相愛なのは明らかなので、ジリジリと距離を縮めていく様子がちょっと丁寧過ぎた気も。丁寧なのは良いんですがそれだけだとちょっと物足りないというか飽きてしまうというか。もう少し早めにくっついてイチャラブするか、もしくはくっつくまでにもう一波乱あっても良かったかなぁなんて思ってしまいました。
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