このレビューはネタバレを含みます▼
読み放題にて。フォローさんのレビューで知り、読ませていただきました。原作を何冊か読んだことがありますが、説明文や台詞など原作に忠実に描かれていると思います。劇画調です。「赦免花は散った」「湯煙に月は砕けた」「女人講の闇を裂く」「川留めの水は濁った」の4話が収録されています。貧しい農家に生まれ、すぐに間引かれそうになったところを姉に助けられたという過去を持ち、薄幸の少年時代を経て渡世人になった紋次郎が主人公で「あっしには関わりのねえことで」と言いながら毎回ずっぽり関わってしまい、刀を振るうことになるという流れでコミックスではこういう突き放した感じはあまりありませんが、小説やドラマではもっとクールだったような。でもギリで見捨てられないみたいな。毎回どんでん返しがあり、世の中の汚さと清らかさが同時に発現するのを見せられるような、不思議な魅力がありました。こちらは4話のみなので機会があれば小説やドラマも見ていただきたいです。1972年放映なので私もリアルタイムで見てないのですが、よく再放送されていました。殺陣はケンカ殺法で荒々しくてめっちゃ強くてかっこいいダークヒーローです。登場する女が菩薩になったり、夜叉になったり、男の影響を受けて変わったりするのがむごいというかせつないというか、その他モロモロの裏切りや辛い展開を見せられて木枯しがヒュルリと心に吹いた後に主題歌の「だれかが風の中で」が流れてきて、もうこの歌がめっちゃいいんです!ズンと落ち込んだ気持ちをフワッと上昇させてくれるすごく前向きで疾走感のある歌。
ど~こかでー だ~れかがー きっと待っていてくれる~
中村敦夫さんがめちゃくちゃよかったなー。懐かしい~。あ、コミックスはストーリーはさすがに読ませる内容です。もうちょい紋次郎がイケメンだったらよかったななんて思ったりして。シリアスで渋くてかっこよかったです。
総322ページ。