心を殺す方法
」のレビュー

心を殺す方法

カシオ

衝撃。。。

ネタバレ
2021年11月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前セールで購入し読み始めてみたもののあまりの不穏な空気に怯んでしまい、そっとページを閉じてしまいましたが今日こそはと意を決して、、
読み進める毎に、動機に息切れ、なのにページを捲ることを何故か止める事が出来ない。

この義弟の狂気染みた執着愛から始まる暗く深い闇。

壊れて落ちて憎んで更に落ちたその先には、一体何を見出すのだろう。
それはやはり「光」なのであろうか。
憎しみ、憐憫、劣情と様々な感情を抱きながらも、深い共依存となり、共犯と言うしがらみを互いに共有する事で、自身の存在を許し肯定してくれる唯一の存在。
「 予感がした 俺は いつか 光を殺せなくなるだろう 」
こんなにも壊れ追い詰められ、それでも拒絶できない苦しみを想像する事も出来ない。
秀さんに希望を託し、もう少し春樹の違う着地点を想像したりしていたのですが、2人にとってはやはりこれが最大のハピエンだったのではないかと思わせる。
ここでフランソワーズ サガンの「 悲しみよこんにちは」を持ってこられるのもやるせない気持ちになる。

「俺はまた 正解を見失い立ち尽くす」という秀さんと全く同じ位置にいる私です。

ただ、あまりの衝撃に気持ちが追いつかず、気軽に何度も読み返す事が出来そうにありません。
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