あした虹がでなくても
」のレビュー

あした虹がでなくても

きはら記子

すぐそこにあるリアル

ネタバレ
2021年11月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても良かった。ドラァグクイーンとしてステージに立つ攻めホイップ(千歳)の華やかな姿とは裏腹なゲイとしての生きにくさ。ノンケリーマンの受け、凌のノンケならではの無神経さと同性愛者に恋をしてからの空回り具合。
そのどちらもが妙にリアルで、身近でおこり得る非日常とでも言いますか……自分の行動や言動を鑑みて、知らぬ間に人を傷つけてるかもしれない恐怖と、決して戻すことのできない時間を憂いたりなどしました。

BL的には(?)女装攻めが性癖なこともあり、ドラァグクイーンをしてるときと男性の姿のときとの千歳のギャップに完全にやられましたね……。絵柄ともとてもよく合っているというか、魅力的でお茶目で色っぽくて、きっと女性を描くのもお上手なんだろうなあと思いました。
あとこれは多分皆さん思ったことだろうけれど、ママには絶対に、絶対に幸せになって欲しい。
ものすごく切なくて、すぐそこにあるリアルでした。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!