7SEEDS 外伝
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7SEEDS 外伝

田村由美

16年の連載にひたすら感謝です。

ネタバレ
2021年11月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ ふぅ…本編全35巻を読み終えレビュー更新した後、ようやく外伝にたどり着きました。


以下、ネタバレになりますので、もし本編を読もうかと思われる方は、本編終了後に目を通して頂けましたら幸いです。


極限の状態から生き抜き、過酷な日々を乗り越えた30人の生き残りの彼等のその後。地に足を着け、生活の基盤を組み立て、新たな役割を生み出して、前に進もうとする姿に安堵しました。
本編で生まれた淡い恋の進展も楽しみだったし、新たに生まれたCPも、幸せな気持ちに導いてくれます。
ただ、気がかりなのは本編で追放された安居と涼です。確かに、彼等が犯した罪は許せるものではありませんし、許してはいけない事です。だから、同じ地で暮らす事を本人たちも望まないだろうし、受け入れてもらえるとも思っていないはずです。でも、でも!こんな世の中で生き延びた人から離れ、孤独を味わう二人が哀しくてしょうがない。自業自得と言えばそうかもしれません。育てられた環境だとか、置かれた境遇、茂への思いなどで正気の沙汰ではないというのも言い訳にしか過ぎず、だからこそ二人も言い訳は一切しない。犯した事を悔やんでも悔やみ切れないし、消し去る事は出来ないから、それを一生背負っていくしかないのです。だけど、どうしても安居の悔やまれる思いが哀しくて、仲間から遠ざかる孤独が辛いんです。許しがたい問題だから、賛否両論あるかもしれませんね。ただ哀しいなぁと思います。そして、本編で他の人たちが犯した行為は何故責めを追わないのだろう…
その後、少しでも役に立とうと頑張って力を注ぐ安吾たちに見えました。島を離れ、自分たちに出来る限りの使命を担う安居と涼が帰って来た時、少しでも彼等の居場所がある事を願わずにはいられませんでした。涼には、まつりちゃんという大切な子が側に居てくれるように、安居にも安居の心に寄り添う誰かが居てくれたら良かった。何処かにいるよね。
外伝でもまだまだ知りたい恋事情もあるし、解決してない問題もあります。でもそれは、読者の想像に任せるように希望が持てるような、そんな結びだと感じました。未来の彼等は強く生き抜いてる事でしょう。全35巻+外伝、だれる事も飽きる事もなく、ジェットコースターに乗っているような目まぐるしい展開に目が離せませんでした。一気に読者をその世界観に引き込み、最後まで心を揺さぶられました。素晴らしい物語です。
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