このレビューはネタバレを含みます▼
4巻完結まで。
こんなお話をよく考えつくものです。勿論、タイトル通り彼女が王になる事はわかっていますから、後はそこに行き着くまでのプロセスです。
出来れば即位した彼女の治世までもを描いて欲しかったのですが、ラストで上手くまとめてくれているし、その後の時代で必ずしも女性の政界への進出の波がどんどんやって来たわけでもなく、後世の歴史家たちの間で意見が分かれるくらいに特殊で革新的だったと評価されることが、とてもリアルで良かったです。
気になる脇役だった男装の伯爵が、ラストでは女性らしい姿で初の女性伯爵になり、貴族院を率いて活躍したとされるのもとても良かったです。『らしさ』をいうのは古いかもしれませんが、女性が男のように振舞って活躍するのではなく、あくまでも女性らしくありつつも活躍できることがかっこいいと思えるので。
治世までの描写がないので巻数が少ないのですが、とても面白い作品でした。