このレビューはネタバレを含みます▼
まず、このお話はすごく良かったです。とってつけたような話ではなく、ちゃんと先生が沢山調べて練った設定なんだなと伝わってきます。
しかし担当さん、余計な一言を...。多重人格という重いテーマを扱っているのですから、先生が描きたいようにもう少し長い編成でお話を練るべきだったのでは?1つ1つの人格の多さについて苦言を呈するつもりはありません。トラウマに対して人格が生まれる、体は大人の男性でも子供や女性の人格が居る、司令塔の人格がいるなど多くの多重人格患者が実際にそうである部分が忠実に再現されているからです。の割に統合治療までが早すぎて薄っぺらく感じてしまいました。医者がいとこである必要ありましたか?しかまそこがCPなのも必要ですか?この精神科医、そこそこ出てくる割に治療はほぼ受けが行なっていて、出てくるたびにサブカプ見せられて...このキャラの必要性を感じませんでした。 受けも流されすぎ。恋心を自覚してからならレイとカズハ両方と致すのは納得ですが、最序盤からこのチョロさ...イマイチ感情移入できませんでした。あと、冒頭の誘拐シーンで我を失うほど殴っていたのは、てっきり自身も幼少期に誘拐されてショックでそのことを忘れている、とかだと思っていたら迷子と熱中症のショックですか...先が読める展開でもいいから、せめて腑に落ちる理由であってほしかった。ヒーローに憧れているだけでは物足りません。
しかし、人格の統合について答えを出した点は展開としてとても面白かったです。一巻描き下ろしの夢オチ3Pも萌えました。
この話が2巻完結ではなく、あと数巻続いていたら、文句なしの星5だったかもしれません。