このレビューはネタバレを含みます▼
人はそれぞれ違うとはいえ、その違いが孤立の元になってしまう時もある。違いが悪いわけではないけれど。ふとした時に、孤独の元になってしまうのですね。巽だって、ひとりで居たいわけでない。そうなることに諦めつつも、寂しさは拭えません。草枕との昼の逢瀬が毎日の楽しみって、もぉ恋しちゃったのね!気付くのが遅いけど。視覚障害を持っている人たちの気持ちが描かれていて、なんとも切なくなりました。孤独を知る者同士!うまくいかないわけがないのですが、途中結構ハラハラしてしまいました。草枕の孤独が満たされる日がとうとうきたのです。穏やかな満足感が読了後、訪れます。優しく、温かな作品なので、是非読んで欲しいです。