好きなんて言わんといて インディゴ
」のレビュー

好きなんて言わんといて インディゴ

ツバ ダエキ

これはねえ、一本取られた

ネタバレ
2021年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「好きなんて言わんといて」のスピンオフでゲイバーのママ、航介の過去と現在が描かれます。

この「インディゴ」短話版の1巻目で前作cpの攻め樹が本屋さんで「同性愛者と異性愛者」についての本を読んでいます。
そこに偶然来合わせたママが、一緒に飲みに行った樹に「本読むよりも湊のことは湊といた方が何倍もわかる」って言うんですよね。

ママのこの言葉は刺さりました。痛かった。
なんて傲慢な自分。
勝手にカテゴリ分けした誰かのことを、理解したいから本を読むの?
当事者にとってその本は「勉強」になるものなの?
ママの台詞は直線で突き刺さります。
もし私の前に湊がいたら、やっぱり樹と同じように書店に立ってると思うから。
全く個人的な話ですが、私の仕事の一部は樹のように「わかりたい、知りたい」人のために本を選ぶこと。
仕事でLGBTQ関連本を深掘りしているうちにBLにハマった。
本を読んで知ったような気になるんじゃないよ私。その人自身を知ること。ママの言葉、しっかり心に留め置きます。
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