このレビューはネタバレを含みます▼
「目撃者ご一報下さい」のレビューでも説明しましたが、山村美紗氏は1975年(昭和50年)前後にこの長編推理小説で本格的(?)な「推理小説作家」としてのデビューを果たしました。この当時は石油ショックによるインフレで日本経済が混乱していました。と同時に、「エースをねらえ!」がTVアニメ化され、故・坂口良子さん主演の「サインはV!」の新シリーズもTV放映されていました。僕はこの推理小説の文庫本もやはり、阪神淡路大震災の前夜に購入しましたが、その後の様々な事情で手放してしまいました。そして今回、思い切ってコミックシーモアで再購入しました。それにしましても、この推理小説の最終章での、連続殺人事件の犯人の「岩根」の豹変ぶりには、身の毛もよだつ思いがしました。山村美紗氏の推理小説には「株の売買に失敗して殺人犯になってしまった」と言う内容のものが沢山ありますが、この「マラッカの海に消えた」に登場しています「岩根」にしましても「金塊」に目を眩ませて「殺人犯」になってしまいましたね。どんな人間でも、「一攫千金」を目論んだりせずに、1円ずつでも確実に貯金を増やしていくべきですね。また、この推理小説が執筆されました当時は、「サインはV!」の後番組としてTBS系列で放映されていました「アテンションプリーズ」の影響で海外旅行がブームになっていました。この「アテンションプリーズ(細川智恵子先生の漫画が原作です)」がコミックシーモアで扱われていないのは誠に残念です。山本鈴美香先生の「7つの黄金郷」同様、1日だけでも早くコミックシーモアで扱われて欲しいです。