狼領主のお嬢様
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狼領主のお嬢様

柑奈まち/守野伊音/SUZ

処刑は間違っていた

ネタバレ
2021年12月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何も知らないお嬢様を誰よりも美しく優しいお嬢様をヘルト(カイド)の唯一無二の最愛のお嬢様を例え革命のためだとしても処刑するべきではなかった。1番の罪人で処刑対象の祖父母と両親は焼死してお嬢様だけ生き残りそのお嬢様を処刑だけではなく牢屋にぶち込み飢えと苦しみを与えた上での処刑は許されない。事実牢屋で恨み言を言うお嬢様はその権利があり、恨み言の中にヘルトのことを如何にどれほど愛していたかを訴えていて、罪を認めないと言えば処刑は免れるとヘルトは言うけれど、お嬢様は無実なのに罪を自ら被るような発言と同時にヘルトへの愛を語ったんだから、罪を認めていたとしても本当のことを知らなかった以上、推定無罪であり、どんな手を使ってでも生存すべきで迫害を受けないようにヘルトがお嬢様を囲うべきだった。奇跡的に生まれ変わりで通じ合ったけれどでも許されることではない。お嬢様が許すと言ってもカイドは一生苦しみお嬢様を愛して大切にすることで償わなければならない。カロンの訴えが読者の訴え。あの処刑は間違っていた。そう読者に強く思わせるほどにこの作品は成功となるのだと思う。愛する人を愛したままに処刑の号令をかけるカイド。一生苦しみ苦しみ足掻き続けて欲しい。そして、生まれ変わり再会した最愛のお嬢様がそばにいる奇跡に感謝し涙し続けて欲しい。そのたびにああするしかなかったという現実と相反してああするしかなかった自分の力不足、能力不足に苦しみ恥じて欲しい。そんな作品です。
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