狼領主のお嬢様
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狼領主のお嬢様

柑奈まち/守野伊音/SUZ

意外性のかたまり

2021年12月10日
良くあるぬるーい転生だの悪役令嬢だのやろ、て思って舐めてたらめちゃくちゃ重い展開になってびっくりした。作品に重厚感があり、こんなハードな展開になると思わず、良い意味で意外性に唸らされました。途中どうなることかと思いましたが、最後ハピエンしたから本当に良かった。
メイン二人が関西で言うところの『遠慮のかたまり』みたいな感じの性格で、もどかしさに「はよくっ付け!」となりつつ、背負ったものがリアルに描かれていて、無理だよなーて納得させられる。なろう系やら転生ものとは思えないくらいめちゃくちゃ良い話です。追記。5巻あたりから出てくるアジェ何とかいうプリンセスがどえらい強烈なインパクトで、鬼金棒…いや、鬼に金金金金金金金棒か、ダイヤモンド棒か、という。サイコパスに知恵と能力を与えたら、ほんまに恐ろしいことになる、という好例でした。好例というには背筋も凍る恐ろしさでしたが。この作者さん日常に潜む化け物じみた存在を描くのが上手すぎる。本当に怖すぎて嘔吐しそうになった。
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