酷くしないで
」のレビュー

酷くしないで

ねこ田米蔵

苦難に比べて幸せの割合が少なめ

ネタバレ
2021年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ なぜ攻めが受けを脅してレ○○することになったのか、攻めの行動理由を裏付ける思考や感情の描写が一切なかったため、ただただ嫌がる受けを無理矢理手ごめにしたひどい野郎という印象が拭えないまま、なぜかいつの間にか受けが攻めを好きになっていたというミラクルに理解が追いつかず二人が恋人同士になるまでを4回ほど読み返しました…。え?私何か読み飛ばしてる?いやいや付き合う前にちゃんと区切りとして「あんな最低な始め方ですみません、大好きです、付き合ってください」くらい言えよ〜!てかそもそもお互いいつの間にどこらへんに何で惚れた〜!?とモヤモヤしつつ読み進め、後々の話で過去の自分の振る舞いを悔いる攻めの姿に「ほらね…」と思いました。が、レ○○されたことをちっとも気にしていない受けの様子に「あ〜、破れ鍋に綴じ蓋ってこういうことか!」と大いに納得。こんな感じのキャラたちなんですね…感情移入が難しそうだ。だから一傍観者として物語を眺めてみるのですが、一難去ってまた一難が永遠と続くようで、ラブラブになった二人がお互いを思いやりながら一緒に成長していくというよりは、お互いのイヤな部分をひたすらぶつけ合ってすれ違って最終的に身体の気持ちよさで丸くおさめている感じ…に見えてしまう。あと、攻めが受けに対して濡らしもせず慣らしもせずいきなり挿入したのは何だったんだろう?と不思議でなりません。何のためにそんな負担を強いたのか、その後のストーリーに全く関係ないうえに、カラーページの冒頭でそんな抱き方を見せられたせいで、ただただ思いやりに欠けた野郎という印象を残しただけでした。クーポンがあったからついつい読んでしまいましたが、度重なる苦難に対して幸せな描写が少なく読後の充足感がいまいち。脇役たちもイヤな方向にクセが強いのが多く、好みが分かれそうなお話です。
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