このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さんです。Twitterでコミックス発売の広告を見て、不思議な設定のファンタジーBLに興味を引かれて購入しました。表題作のみ全6話+描き下ろしで合計215ページ。鮫の血を引くミヤル族のトゥキリ×最初の性行で性別が決まるタンガタ族のアヴェルのお話。ミヤル族への献上品を決定する儀式前日に、ジャングルで獣に襲われそうになったアヴェルを助けたトゥキリ。怪我をしたアヴェルの血の匂いを嗅いだトゥキリの姿が変わってしまって…というお話です。アヴェルは褐色ガチムチで、メス化する前でも、BLを嗜む人なら誰でもアヴェルは絶対受け!と分かるほどの雌っぽさがありました。でも「メス化」に対してネガティブな印象はなく、とても色っぽくて良かったです。対するトゥキリは鮫化できるという。凄いファンタジー設定が盛り沢山ですが、とっ散らかることなく上手くまとまっていたと思います。ミヤル族はメスになっても狩りをするなど、男女性差のない平等で拓けた生活をしていて、意図せずミヤルに来たアヴェルも外の世界を見て考えが変わります。メッセージ性の強い、いわゆる「良い話」を描こうとする作者さんの意図がちょっとあからさま過ぎるかなぁという気もしますが、それでも良い話には違いない!ジャングルや隣の島の市場など、背景の隅々までとても丁寧に描かれていてとても良かったです。鮫のtnkはクラスパーというんですね!2本あるというそれが刺さっていると思われる描写、興味津々だったんですがガッツリ白抜かれていて残念でした。。