ここはやさしい庭【SS付き電子限定版】
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ここはやさしい庭【SS付き電子限定版】

エンゾウ

心が痛い・・でも・・光は見えるから✨

ネタバレ
2021年12月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ うわ~これは・・・結構辛いお話しではあるんですけど・・・でもその後には大きな感動があるので読後はちょっとホッとします(^^
母から疎まれ、痛々しい過去ばかりで愛もなく色んな男女に抱かれる「青年」(←ストーリーの最後の最後に名前出てくるのでとりあえず秘密で(^^;)と、両親と弟を相次いで亡くし、蜻蛉のような生活をしていた薫が・・・丁度欠けたピースが嵌るように出会い・・・嘘の兄弟生活が始まります。もう・・・お互いに哀しいんですよね・・でもお互いに哀しみを埋めるように疑似家族を続けてゆくのが・・例え疑似でも「幸せ」がソコにあって・・なんだか切なかった・・・。
現実から目を背けたい薫と、過去の自分から逃げたい青年・・・愛すること、愛されることを知った2人には「自分に向き合う」という辛い現実が待っているけれど・・・と乗り越えなくてはならない試練が待っているんですが・・・そこには色んな葛藤があって・・精神的に痛めつけられる部分は多いのですが、2人がそこから「成長」?もしくは「脱出」?して愛し合うシーンはちょっとBLの萌えキュンとは違う意味で気持ちが昂るシーンでした。作品の作り方も繊細でステキでしたね・・✨説明がなくても母と青年の関係性は画で理解できたし、薫と恋人関係になってからの、母親を許せる心が芽生えた描写もちょっと泣けました・・思えば母も色々事情があったのだろうな・・・とちょっと思える気持ちが出てきたのは、やっぱり人を愛し愛される事を知ったからなのかなと思ったりして。ちょっとしたボタンの掛け違えで愛情が憎しみにも慈しみにもなるんじゃないかな・・などと色々考えてしまう、そんな、心を揺さぶられる作品でした(^^
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