このレビューはネタバレを含みます▼
結局のところ外見も内面も美しい主人公の愛され無双に終始している感じでいまいちハマれませんでした。皇太子や冬雪を始めとした主人公を溺愛している面子に軒並み魅力を感じられないのもキツい。ここまでコイツとの恋愛パートとかいらねぇ!と思ったヒーロー?も中々珍しいです。文章は読みやすく、莉莉や慧月、金清佳、皇后など魅力的なキャラクターも多いので、そこは楽しく読ませて貰いました。3巻まで読みましたが、このままヒロイン無双の独壇場が続くなら次巻以降はもう良いかな…【追記】前回読んだときから大分経ったので、今読んだらまた違う感想になるかもしれない…と最新刊まで読みました。やはり本筋は面白いんですよね。慧月の成長や玲琳へ寄せる感情の変化を見れただけでも読む価値はありました。ヒステリックですぐ調子に乗るけど、それでも着実に成長していく慧月は応援したくなりますね。一方で相変わらずの玲琳至上主義にげんなりします。順調に量産される玲琳信奉者ですが、6巻で歌吹もその一人に。鏡のくだりで感動していたのにあのオチで一気に白けました。歌吹は姉の復讐を遂げんと苦しんでいましたが、姉との想い出もまた彼女の心の支えだったんじゃないですか?あれでは姉から玲琳へと依存先を乗り換えたように感じます。そして彼女は玲琳に心酔する前にまず思い込みで凶行に及んだ事を謝罪すべきでは?こうやって玲琳ageの為にならようやく掘り下げた登場人物のキャラクター性すら台無しにするの、どうかと思いますよ。また、4巻特別編も普通に理不尽で景彰が可哀想です。景彰は妹に謝るよう迫られても彼自身へのフォローはないし、玲琳を優先して景彰を蔑ろにした周囲が己を顧みる事は永遠にないのだろうなと冷え冷えとした気持ちになりました。私が今作の主人公至上主義に対して感じる嫌悪感の理由ってこの辺りに詰まっていると思います。