このレビューはネタバレを含みます▼
新刊作者さん買いです。表題作のみ全5話+描き下ろしで合計177ページ。惰性で生活してきたバイスガイドの宮田が、窮屈な寮生活で欲求不満になっていたところ、彼女に振られて号泣していた普段はモサ男のドライバー・彰吾さんが実は宮田好みのイケメンと知って…というお話。いや〜宮田が軽い!適当に仕事をいなす姿と、親のツテで得た仕事だから辞められないという真面目な一面とで、好感度の指針がマイナス側とプラス側を行ったり来たりしているところに、彰吾さんの素顔を見て鶴の一声のように好きと告白する場面で、指針が大きくマイナス側に振り切ってココで躓きかけました。…が、その後も希望を持って読み進めて良かった。きっかけは確かに軽く感じましたが、彰吾さんに好かれようと仕事を頑張る姿や、素直に他者の良いところを認めて吸収できたり、彰吾さんに対していつも自然に気を遣えて優しいところもとても好感が持てました。恋愛って人を変えるんだなぁ〜。彰吾さんに対しても、今まで抑えていた性癖に対する葛藤をスパッと取り除いてくれて、ありのままの自分を受け入れてくれる、そんな存在ってなかなかないし、そんな二人の関係がとても良いなと思いました。ゆり子の呪いとか、ちょこちょこ見受けられる作者さんのユーモアも面白いし、最後はタイトルに引っ掛けた見事なオチがついて良い読後感で読了です。