ご主人様と、僕はずっと
」のレビュー

ご主人様と、僕はずっと

うえちゃ

本当のことは本人たちにしか分からない

ネタバレ
2021年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●本文38Pの短編。『切甘BL』というアンソロジーに掲載されていますが、そのとおり切なくて甘いお話でした。
●出会いは中学生の頃。聖から「犬」と呼ばれてかわいがられていたまこと。足元に座らされたり、おつかいパシらされたり、聖が高等部に進んでも関係は変わらず、まことは聖だけに懐いている。周りからだといじめのように見えてしまうけど、二人にとっては愛情表現。(読んでいてつらく感じる方もいらっしゃるかもしれません。)
●突然姿を消してしまった聖と再会して、なんとかまた犬になりたいと懸命に近付こうとするまことと、突き放す聖。聖の本音が何も分からないままに、それでもまっすぐ向かっていこうとするまことが健気で健気で。読んでて胸が痛むほどです。
●まことがバックパッカーみたいな格好をしていますが、それについては想像するしかなく。家(母親)との関係はどうなっているのだろう…。「過保護」という言葉も出てきますが、心配する親の気持ちも分かるし、だからこそ聖はまことから離れたのでしょう。でもそこに言葉があってもよかったよね…
●ラストは本当にほっとします。自分を犬と言いながら「キスして」と言えたまこと。聖の本当の気持ちもあふれて…溺愛!ホント良かった。周りにどう見えるか、どう思われるかも大事だけど、お互いの一番いい形でいられることが大切だなと思わせられました。
●短編でこれだけきゅんとさせていただけると思っていなかったので、作者さんの他のお話も拝読してみたいです。
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