絶対ハズレのない作者買いができる作者さん





2021年12月29日
視線の向かう先というモチーフだけで、ここまで説得力をもって心の動きや想いの入れ違いを演出できる技術が、やはりこの作家さんならではの巧さだと敬服しながら読みました。絵が上手なだけではなく、背景や小物使い、敢えて言わない台詞とか、緩急あるモノローグとか、不意打ちの行動とか、トータルで演出されているから出来るんだろうなと思わずにいられません。日乃チハヤ先生は、うだつの上がらないタイプのキャラを可愛く生かすのも上手ですが、今回の二人は見た目が綺麗なカップル。人物の書き分けも上手だなと思います。表紙から、純真受けを想像している方には意外な展開かもしれないけど面白いですよ。「先生×生徒」が好きな人はもちろん、センスが光る作品を読みたい方にオススメです。表題作は短くてもっと読んでいたかったけれど、短編も巧い作品で楽しい一冊でした。

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しろくろうさぎ さん
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