鳥を愛した獣
」のレビュー

鳥を愛した獣

いもあん

と~っても素敵なお話ですよぉ。

ネタバレ
2021年12月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様のレビューが気になって購入しました。こんなに優しい物語を描かれる作者様に出会えて、嬉しいーーーっ。素敵な作品を紹介して頂いてありがとうございました。(1月7日まで半額300円也)

森の木守りをしながら、境界(結界?)に守られ、肉食獣の子守りを生業にしてその日暮らしをしている鳥さん。のんびりとのんきな鳥さんは、自分の危険を省みずケガをした獣くんを助ける優しい鳥さん。元気を取り戻したら、喰われるかもしれないのに…
弱肉強食の世界の中で、喰う者喰われる者がいて、残酷な事実ではあるけれど、それは生きるための仕組みであり、それが自然の摂理なのですが、やっぱり喰われる者の事を考えると辛いなぁ…
いつ喰われるかもしれない危険と背中合わせの草食の鳥さんの言う「選べない死に時」が胸を刺す。喰われたいワケじゃないけれど、草食動物たちは自分の弱くて危うい立場を悟っているのが、何だか切ないね。
木守りをしながら結界に守られる安全よりも、獣くんと共にいる幸せを選んだ鳥さんに拍手を贈りたい。危険を承知で獣くんの側に居る事を選択した勇気と強さもさる事ながら、ある種の覚悟を持って外の世界に飛び出し気がしました。離れる事の方が辛い事なんですね。肉食の本能がどうなるかはわからないけど、とにかく獣くんが優しいんです。鳥さんを心配して、守って、労って、気遣って、優しいのです。見えない夜の世界は鳥さんの目になってくれそうで、木の上じゃない昼間の景色を二人で見渡し、二人で寄り添って生きていく。きっと獣くんは鳥さんを守り抜いて、ずっと側にいるに違いないと信じています。種族の違いを越えた優しい優しい物語に癒されました。

物語の合間に差し込まれる作者様の『ひとやすみ』が作品のこぼれ話を書いて下さって、なるほど、なるほど面白いです。
本編の後には、四コマ漫画で穏やかで幸せそうな二人の姿に更に癒されて、ホントに可愛い二人です。
鳥さんの求愛ダンスは必見です!可愛いかったぁ。
あと、鳥さんと獣くんの仲むつまじい姿を目撃したAさんの談話もあったりと工夫された内容に、顔の筋肉が弛みっぱなしです。素敵な作者様ですね。

作者様の別の作品『俺の恋したファンタジーおじさん』も同様に半額中です。こちらも購入しようかと思案中です。
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